会社員として働きながら収入を増やす手段として、副業への関心が高まっています。とはいえ、「何から始めればいいのかわからない」「会社にバレないか心配」といった不安を抱える方も少なくありません。本記事では、副業の始め方を5つのステップに分けて具体的に解説するとともに、会社員におすすめのジャンル、確定申告の基礎知識、会社に伝わってしまう原因と対策まで、実務的な観点からまとめて紹介します。読み終える頃には、何から手を付ければよいかがイメージできるはずです。
副業とは?会社員が副業を始める前に知っておきたい基礎知識
副業とは、本業とは別に収入を得る活動全般を指します。会社員がこうした活動を始める際は、まず種類とメリット・デメリットの両面を理解しておくことが大切です。ここでは基礎知識を整理します。
副業の定義と主な種類
副業には、クラウドソーシングでの業務委託、スキルを活かした成果物の販売、アルバイトなど雇用契約に基づくもの、資産運用による副収入など、さまざまな形態があります。それぞれ所得の区分(給与所得・事業所得・雑所得など)が異なり、後述する確定申告の扱いにも影響します。たとえば雇用契約に基づくものは給与所得、クラウドソーシングでの請負は事業所得や雑所得として扱われることが一般的です。どの形態で取り組むのかを最初に把握しておくと、始め方も税務上の手続きも判断しやすくなります。雇用契約に基づく場合は、労働時間の通算が必要になる点も覚えておきましょう。
会社員が副業をするメリット・デメリット
メリットとしては、収入源が増えること、本業では得にくいスキルや人脈を得られること、将来の独立・転職に向けた準備ができることなどが挙げられます。一方で、時間的な負担が増える、確定申告など事務手続きが発生する、就業規則によっては会社への申告や許可が必要になるといったデメリットもあります。厚生労働省は「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定しており、働き方改革の一環として、こうした働き方を認める方向性を示しています。始める前に、良い面と負担になる面の両方を踏まえて、自分に合った関わり方を検討しましょう。無理のない範囲で小さく試し、様子を見ながら調整していく姿勢が長続きのコツです。
副業の始め方【5ステップで解説】
副業を思いつきで始めるよりも、順序立てて準備を進めたほうが失敗を防ぎやすくなります。ここでは、会社員が実践しやすい5つのステップを紹介します。焦らず一つずつ確認していきましょう。
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ステップ1:目的・目標金額を明確にする
まずは「なぜ取り組むのか」「月にいくら稼ぎたいのか」を明確にしましょう。目的が曖昧なままだと、ジャンル選びの軸が定まらず、継続のモチベーションも保ちにくくなります。収入を増やしたいのか、スキルアップをしたいのか、将来の独立準備なのかによって、選ぶべき方向性も変わってきます。目標金額を月5,000円からと小さく設定するだけでも、続けやすさが大きく変わることがあります。数字を紙やメモアプリに書き出しておくと、途中で迷ったときの判断基準にもなります。
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ステップ2:就業規則を確認する
次に、勤務先の就業規則で副業が禁止・許可制になっていないかを確認しましょう。厚生労働省のモデル就業規則では、勤務時間外に他の会社等の業務に従事できる旨が定められており、近年は容認する企業が増える傾向にあります。ただし会社ごとに運用は異なるため、無許可のまま始めてトラブルにならないよう、不明点は人事担当者に確認しておくと安心です。就業規則が見当たらない場合は、社内ポータルや入社時の配布資料を確認するとよいでしょう。書面での許可が必要な会社もあるため、口頭確認だけで済ませないことも大切です。
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ステップ3:自分に合った副業ジャンルを選ぶ
目的と規則の確認が済んだら、自分のスキル・興味・使える時間に合ったジャンルを選びます。次のセクションで紹介する「スキマ時間でできるもの」「スキルを活かせるもの」を参考に、無理なく続けられる方向性を選ぶのがポイントです。複数の候補を書き出し、必要な準備時間や収益性を比較してから決めると、後戻りが少なくなります。興味だけで選ぶと長続きしないこともあるため、実際にかかる作業時間もあわせて確認しておきましょう。
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ステップ4:副業用の口座を用意し小さく始める
専用の銀行口座を用意しておくと、収支管理がしやすくなり、確定申告の際の集計もスムーズになります。最初から大きな成果を求めず、小さく始めて実際の作業量や収益感覚をつかみながら、無理のないペースで規模を調整していきましょう。家計用の口座と分けておくことで、経費として計上できる支出も把握しやすくなります。振込先や支払いサイクルもあわせて記録しておくと、後の申告作業が楽になります。
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ステップ5:継続的な所得が見込める場合は開業届を検討する
軌道に乗り、継続的な所得が見込めるようになった場合は、税務署への個人事業の開業届出の提出を検討しましょう。提出は義務とされていますが罰則はありません。ただし提出することで、青色申告による控除など税務上のメリットを受けられる場合があります。事業として続けるかどうかまだ迷っている段階であれば、無理に提出を急ぐ必要はありません。提出要否や具体的な手続きに迷う場合は、税理士や税務署に相談することをおすすめします。屋号を決めておくと、請求書や案件のやり取りの際にも役立ちます。
ここまでの5ステップを参考に、無理のないペースでスタートしてみましょう。気になった方は、この記事をブックマークしておくと、迷ったときに読み返せて便利です。
会社員におすすめの副業ジャンルと選び方
副業には多種多様なジャンルがあり、自分の生活スタイルやスキルに合ったものを選ぶことが継続の鍵になります。ここでは代表的な2つのタイプと、選ぶ際に比較検討したいポイントを紹介します。
スキマ時間でできる副業
アンケートモニターやポイ活、簡単なデータ入力、写真販売、簡単な軽作業など、特別なスキルがなくても始めやすく、通勤時間や休憩時間などのスキマ時間を活用しやすいジャンルです。単価は比較的低めですが、まとまった準備が不要なため、初めてこうした活動に取り組む方が「まず一歩を踏み出す」手段として適しています。少額から始めて、収支の感覚をつかむ練習の場としても活用できます。スマートフォン一台でできるものが多く、通勤中のちょっとした時間を活用できるのも魅力です。
スキルを活かせる副業
ライティング、デザイン、プログラミング、翻訳、動画編集など、本業や過去の経験で培ったスキルを活かせるジャンルです。単価が高くなりやすく、実績を積むことでスキルアップやキャリア形成にもつながります。クラウドソーシングサービスや知人からの紹介を通じて案件を探すのが一般的な始め方で、最初は小さな案件から実績を積み上げていくと信頼を得やすくなります。ポートフォリオを整えておくと、案件獲得の際に自分の実力を伝えやすくなります。
こんな人におすすめ・比較検討したいポイント
| 比較項目 | スキマ時間でできる副業 | スキルを活かせる副業 |
|---|---|---|
| 収益性 | 低め | 高め |
| 始めやすさ | 始めやすい | 準備が必要 |
| 必要なスキル | 特になし | 専門スキル・経験 |
| 継続のしやすさ | スキマ時間で継続しやすい | まとまった時間の確保が必要になりやすい |
「まずは低リスクで試したい」という方はスキマ時間型から、「スキルを活かして収入もキャリアも伸ばしたい」という方はスキル活用型から検討するとよいでしょう。ジャンルを比較する際は、時給換算した際の収益性、必要な初期投資の有無、継続のしやすさ、本業との相性(体力面・時間面での負担)といった観点で整理しておくと、自分に合った選択がしやすくなります。実際に始める前に、候補を2〜3個に絞り込み、それぞれの必要時間と見込み収入を書き出して比較してみることをおすすめします。迷ったときは、まず1つに絞って1〜2か月試してみるのも一つの方法です。
副業が会社にバレる原因と対策
副業を始めるにあたって、「会社に知られたくない」と考える方は少なくありません。ここでは、伝わってしまう主な原因と、その対策を解説します。
副業が会社に伝わる主な原因(住民税の仕組みなど)
会社に伝わる代表的な原因の一つが、住民税の金額です。副業による所得があると、その分だけ住民税額も増えますが、会社員の住民税は通常、給与から天引きされる「特別徴収」という形で会社経由で納付されます。追加分の住民税額が本業の給与に対して不自然に高くなると、経理担当者が気づくきっかけになることがあります。このほか、SNSでの発信や同僚・取引先を通じた口コミ、勤務中の私的な連絡から伝わるケースもあります。関係者と本業の同僚が共通の知人であるケースにも注意が必要です。
バレないための対策
住民税に関する対策としては、確定申告の際に、給与所得以外の所得にかかる住民税の徴収方法を「普通徴収(自分で納付)」に切り替える方法があります。これにより、追加分の住民税は会社を経由せず自分で納付する形になり、本業の給与から天引きされる住民税額に影響が出にくくなります。ただし、副業自体がアルバイトなど雇用契約に基づく「給与所得」である場合、この方法は使えません。「自分で納付」を選択できるのは「給与所得以外の所得」に限られるためです。さらに近年は、2か所以上から給与を受け取っている場合でも、すべての給与分の住民税を主たる勤務先からの特別徴収に一本化する自治体が増えており(例:東京都中野区は令和8年度から)、給与としての副業ではこの方法による対策が難しくなる傾向にあります。なお、この手続きも自治体によって運用が異なる場合があるため、心配な方はお住まいの市区町村の窓口に確認しておくと安心です。あわせて、SNSでの発信内容や、活動の場所・時間帯にも配慮しておくとよいでしょう。勤務時間中の関連連絡は避け、本業に支障が出ないようにすることも基本的な対策の一つです。
副業の確定申告・税金の基礎知識
副業を始めたら避けて通れないのが税金の話です。特に「確定申告が必要になるかどうか」の判断基準を知っておくことは重要です。ここでは基本的な考え方を整理します。
確定申告が必要になる「20万円ルール」
国税庁によると、給与を1か所から受けていて、その給与の全部が源泉徴収の対象となる会社員の場合、給与所得・退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超えると、確定申告が必要になります。これがいわゆる「20万円ルール」です。ここでいう「所得」とは、収入から必要経費を差し引いた金額を指す点に注意しましょう。たとえば副業収入が25万円でも、経費が10万円かかっていれば所得は15万円となり、原則として確定申告は不要になります。逆に、経費がほとんどかからないジャンル(アンケートモニターなど)では、収入額がそのまま所得額に近くなる点も押さえておきたいポイントです。複数の収入源を掛け持ちしている場合は、それぞれの所得を合算して判定する点にも注意しましょう。
住民税の申告と納付方法の注意点
所得税の確定申告では20万円以下なら申告不要となる特例がありますが、住民税についてはこの特例が適用されず、所得額にかかわらず原則として申告が必要になる点に注意が必要です。確定申告を行った場合は住民税の申告も基本的に完了したものとして扱われますが、確定申告をしない場合は別途お住まいの市区町村へ申告を行う必要があります。申告漏れがあると、後日追加の納税を求められることもあるため、所得が少額であっても申告要否は事前に確認しておくことをおすすめします。不明な点があれば、早めに市区町村の税務窓口へ問い合わせておくと安心です。
よくある質問(Q&A)
ここでは、副業を始める前後によく寄せられる質問をまとめました。気になる項目から確認してみてください。
Q1. 副業は会社にバレずにできますか?
絶対にバレないとは言い切れませんが、住民税の徴収方法を「普通徴収」にする(給与所得以外の副業の場合)、SNSでの発信に配慮するなどの対策により、リスクを下げることは可能です。100%防げる方法ではない点は理解しておきましょう。
Q2. 副業の確定申告はいくらから必要ですか?
給与を1か所から受けている会社員の場合、所得が年間20万円を超えると国税庁の基準により所得税の確定申告が必要になります。なお、住民税は20万円以下でも申告が必要な点に注意してください。
Q3. 副業の所得は事業所得と雑所得のどちらになりますか?
継続性・営利性が認められる規模かどうかなどによって判断が分かれます。帳簿を付けているかどうかも判断材料の一つとされています。迷う場合は税務署や税理士に相談することをおすすめします。
Q4. 副業用の口座は必ず必要ですか?
法律上の義務ではありませんが、収支管理や確定申告の集計がしやすくなるため、専用口座を用意しておくことをおすすめします。家計用の口座と分けるだけでも管理が楽になります。
Q5. 本業と副業の時間管理のコツは?
あらかじめ充てる曜日・時間帯を決めておき、無理のない範囲でスケジュールに組み込むことが継続のコツです。予定を詰め込みすぎず、休む日もあらかじめ決めておくと長続きしやすくなります。
まとめ
副業を始める際は、目的の明確化から就業規則の確認、ジャンル選び、確定申告の基礎知識まで、順を追って準備することでトラブルを避けながらスタートできます。今回紹介した5つのステップと基礎知識を参考に、自分に合ったペースで一歩を踏み出してみてください。この記事が参考になったら、ぜひ周囲の方にも共有してみてください。
